物理工学輪講第二
6月10日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2025年6月10日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 播磨 いち花
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 超伝導回路におけるループホールのないベル不等式の破れの実証
要旨 量子力学の性質である非局在性を実証する手段として、ベルの不等式の破れの実験的検証が知られている。本発表では、超伝導量子ビットを用い、30メートル離れた2つの冷却系をミリケルビン温度で接続し、高速かつ高忠実度な測定を行うことで、ループホールのないベルテストを実現した実験を紹介する。
発表者名 井上 雄貴
指導教員名 吉見 龍太郎 准教授
論文題目 量子ホール系と量子スピンホール系
要旨 近年トポロジカル絶縁体についてさまざまな研究が行われている。本発表ではそうしたトポロジカル絶縁体が提案されるようになった元である量子ホール系について、そしてその拡張である量子スピンホール系(トポロジカル絶縁体)についてトポロジカルの側面から解説する。また、二次元トポロジカル絶縁体が実現された実験例としてHgTe量子井戸を紹介する。
発表者名 山本 考
指導教員名 吉見 龍太郎 准教授
論文題目 MnBi2Te4における層数に依存したトポロジカル状態
要旨 トポロジカル絶縁体に磁性を付与することで量子異常ホール効果が実現する。本発表では、その理論的背景を説明した後、内因的に磁性を持つMnBi2Te4の実験例について、層数に依存したトポロジカル状態の違いを含め紹介する。

Bグループ

発表者名 泉 諒
指導教員名 武田 俊太郎 准教授
論文題目 連続量量子回路の効率的古典シミュレーション可能性
要旨 Wigner関数が正となる状態・操作・測定からなる量子回路は、古典アルゴリズムを用いて効率的にシミュレーション可能であることを示す。これにより、量子コンピュータが古典コンピュータを凌駕するために必要な条件を明らかにする。
発表者名 前原 脩平
指導教員名 武田 俊太郎 准教授
論文題目 単一光子検出を利用した非線形光量子操作の実現手法
要旨 連続量光量子コンピュータにおいて任意の演算を実現するために必要な非線形操作は、直接入力状態に施すことは困難である。本発表では補助状態と測定のいずれかに非線形性を持たせ、間接的に非線形操作を実装する二通りの手法を提案する。
発表者名 伊東 佳祐
指導教員名 山本 倫久 教授
論文題目 2量子ドットにおける近藤効果とRKKY相互作用
要旨 局在磁気モーメントと伝導電子の相互作用である近藤効果を観測、制御する手法として量子ドットを用いた方法が挙げられる。本発表では1量子ドットにおける近藤効果を説明し、局在磁気モーメント間の相互作用であるRKKY相互作用を踏まえて2量子ドットにおいて近藤効果を観測した実験を紹介する。